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V.C.21 8月 アレイスター海軍、航空母艦の研究開始へ

アレイスター海軍、航空母艦の研究開始へ


先月締結されたプリムローズ特別技術協力協定を受けて、諸島評議会はリルバーン系のエンジニアを招聘、航空母艦の研究と設計を開始したと発表した。詳細なスペックや建造費用などは非公開となったが、イメージ図(写真参照)とコードネーム"ソーサレス"が発表された。
「安全保障理事国として、アレイスターはカイバーオーシャン圏の軍事的安定に貢献する。ソーサレス級は新しいアレイスター海軍のシンボルになるだろう」とは、トルヒージョ海軍司令の言。
ラウレアーノ・ゴメス評議員は「リルバーン継承問題やローゼンクロイツ暫定統治、ナーシサス・クナイブや新興国の保護。世界的な資源枯渇の兆候など、懸案材料は山ほどある。普段からの備えが重要だ。必要になってから建造しているようでは遅い」と記者団に答えた。

エリアーデ事件、捜査打ち切りへ


モリヴァニアドレス専門店「エリアーデ」に於いて、深夜顧客たちが集団発狂、凄惨な殺し合いに発展した事件について、デザイナーであり唯一の生き残りであるリディア・エリアーデ女史に容疑が掛かったが、状況を裏付ける証拠や手がかりは見つからず、捜査は打ち切りとなった。治安当局筋の情報によると、魔術的な呪いを恐れて捜査官たちも及び腰だという。
同氏のコカイン所持と使用については保釈金が納められており、慣例としては恐らく起訴猶予処分になるものと思われる。
エリアーデ」の営業はすでに再開されており、売れ行きに事件の影響は見られないとのこと。自称魔術師のヴェロニカ・バーンロード女史は、ファッション雑誌に於いて「血の呪い、闇の祝福がかけられた本物のリリスの装束です。ドレスは貴方を悪霊から護るでしょう」というコメントを掲載し、物議を醸している。

神州にて文化大革命


神州民共和国にて過激な政治運動が発生し、紅衛兵と群衆により『一切の旧思想、旧文化、旧風俗、旧習慣、即ち四旧に向けて猛烈なる攻撃を開始』するという、『無産階級文化大革命』が始まった。
アレイスター系企業が出資する工場でも影響が出始めており、またアレイスター人は「退廃文化の伝道者でコカイン中毒患者」というレッテルがはられ、商店などに投石がされるなど各地でトラブルが起こっている。
諸島評議会は邦人保護を神州政府に要請するが、「本質的に国内問題。李勝徳を初めとする旧指導部と、新指導部との対立が背景にあるのではないか」と、干渉はしない方針だという。

バルデラマ評議員プランク民主国を非難


諸島評議会のフロッゲ・バルデラマ筆頭評議員プランク民主国政府に対し、「コカイン対策を名目とした過剰な検問によって円滑な貿易を阻害している」と苦言を呈し、また「経済だけでなく、文化、政治的交流も進めるべきだ」と、国交樹立を求める考えを示した。
プランク民主国に対してはアレイスターコーヒーの輸出が低水準に押さえられている。

トラインデルト連邦共和国安保理理事国に立候補


ルグドゥネンヴェス社会主義国家群連邦の突然の滅亡により、空席が生じた安保理理事国だが、トラインデルト連邦共和国の立候補があり注目を集めている。かの国はディルタニアの大国だが、ロストアルテミス以前も以後もほとんど外交は行っておらず、鎖国に近いものと思われていた。
「安全保障という観点からみると、いくつか懸案事項がある」とエリエセル・ガイタン評議員
「まずは自国首都の防衛施設を整備することをお勧めしたい。それと今懸案のリルバーン継承問題について、立候補国として見解を示して欲しい。黙っているだけでは支持はできないね」

アレイスター油田、追加掘削成功


アレイスター油田公社によると、採掘量の変動により独自資本による出資で追加掘削事業が行われたとのこと。二つ目の油田には成功率に疑問が持たれたものの、無事成功。関係者はシャンパンを大量発注したり市民にピザを配るなどして祝い合った。
また掘削地点の選定について、ヴェロニカ女史によるダウジングが行われたという噂があるが、油田公社はこれを否定している。