アレイスター海軍、航空母艦の研究開始へ
先月締結されたプリムローズ特別技術協力協定を受けて、諸島評議会はリルバーン系のエンジニアを招聘、航空母艦の研究と設計を開始したと発表した。詳細なスペックや建造費用などは非公開となったが、イメージ図(写真参照)とコードネーム"ソーサレス"が発表された。
「安全保障理事国として、アレイスターはカイバーオーシャン圏の軍事的安定に貢献する。ソーサレス級は新しいアレイスター海軍のシンボルになるだろう」とは、トルヒージョ海軍司令の言。
ラウレアーノ・ゴメス評議員は「リルバーン継承問題やローゼンクロイツ暫定統治、ナーシサス・クナイブや新興国の保護。世界的な資源枯渇の兆候など、懸案材料は山ほどある。普段からの備えが重要だ。必要になってから建造しているようでは遅い」と記者団に答えた。
エリアーデ事件、捜査打ち切りへ
モリヴァニアドレス専門店「エリアーデ」に於いて、深夜顧客たちが集団発狂、凄惨な殺し合いに発展した事件について、デザイナーであり唯一の生き残りであるリディア・エリアーデ女史に容疑が掛かったが、状況を裏付ける証拠や手がかりは見つからず、捜査は打ち切りとなった。治安当局筋の情報によると、魔術的な呪いを恐れて捜査官たちも及び腰だという。
同氏のコカイン所持と使用については保釈金が納められており、慣例としては恐らく起訴猶予処分になるものと思われる。
「エリアーデ」の営業はすでに再開されており、売れ行きに事件の影響は見られないとのこと。自称魔術師のヴェロニカ・バーンロード女史は、ファッション雑誌に於いて「血の呪い、闇の祝福がかけられた本物のリリスの装束です。ドレスは貴方を悪霊から護るでしょう」というコメントを掲載し、物議を醸している。
神州にて文化大革命
神州人民共和国にて過激な政治運動が発生し、紅衛兵と群衆により『一切の旧思想、旧文化、旧風俗、旧習慣、即ち四旧に向けて猛烈なる攻撃を開始』するという、『無産階級文化大革命』が始まった。
アレイスター系企業が出資する工場でも影響が出始めており、またアレイスター人は「退廃文化の伝道者でコカイン中毒患者」というレッテルがはられ、商店などに投石がされるなど各地でトラブルが起こっている。
諸島評議会は邦人保護を神州政府に要請するが、「本質的に国内問題。李勝徳を初めとする旧指導部と、新指導部との対立が背景にあるのではないか」と、干渉はしない方針だという。
バルデラマ評議員、プランク民主国を非難
諸島評議会のフロッゲ・バルデラマ筆頭評議員はプランク民主国政府に対し、「コカイン対策を名目とした過剰な検問によって円滑な貿易を阻害している」と苦言を呈し、また「経済だけでなく、文化、政治的交流も進めるべきだ」と、国交樹立を求める考えを示した。
プランク民主国に対してはアレイスターコーヒーの輸出が低水準に押さえられている。