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吸血鬼と経験点


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

経験点の名称

ヴァンパイア:ザ・レクイエムでの経験点はセッション中のロールプレイや行動に応じて入手できます。

経験点はビート/Beatsという欠片で配布されます。5ビートが集まると、1経験点/Experienceになります。
【1ビート=0.2経験点】です。何故このような扱いになっているのかは不明です。

経験点の入手条件

・吸血鬼はセッション前に「願望」を3つ設定します。それを満たすか進展させた場合に、0.2経験点となります。
・バッドステータスには経験点獲得をもたらすものがあります。
・行為判定に失敗したとき、それをファンブルにすることで、0.2経験点を得ることができます。
・致命ダメージを食らって「休眠」したとき、0.2経験点を得ることができます。
・ゲームセッションの最後に、0.2経験点を得ることができます。
・吸血鬼が人間性チェックを振るハメになると、0.2経験点を得ることができます。

上記の通り、危難にさらされると経験点が入るデザインになっています。
ミッションとしては失敗でも、経験点は多く手に入った、という場合も起こり得ます。
ヴァンパイアはやらかしてしまうTRPGなのです。

経験点の使用

経験点を消費することで、能力値や技能、訓え、長所などを取得することができます。

能力値は4経験点、技能は2経験点、訓えは3or4経験点、長所は1経験点。です。

1セッションに1経験点に達するかどうかといったところです。
訓えについては教師が必要な場合があります。
長所についてはセッション内外での行動や設定の調整が必要です。例えば、経験点がいくらあったとしても、相応の実績がなければ地位レベルを上げることはできません。

何らかの理由によって長所が失われる場合があります。例えば、なにかヘマをして地位レベルを失うこともあり得ます。その場合、経験点は帰ってきます。失敗や逆境は経験なのです。

願望

願望は経験点を得るための大きなエンジンです。これは吸血鬼の願望でもいいし、プレイヤーの願望でも良いです。
願望は大きな挑戦やリスクをはらんでいたり、他のPCを巻き込む、関わるようなものが推奨されています。
達成してしまったり、興味をなくした願望は、セッション間で変更も可能です。

吸血鬼と戦闘


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

地味な戦闘

ヴァンパイア:ザ・レクイエムの戦闘は地味です。というのも、このゲームの吸血鬼は炎や光線や衝撃波を出すことができないのです。二段斬りとか、そういう必殺技めいたものもありません。素手で殴る、武器で殴る、銃を撃つ、物を投げるの4つが主な攻撃手段となります。

暴力と自制

吸血鬼の心の中には「獣」が潜んでおり、バーサークの危険をはらんでいます。吸血鬼は狩猟・吸血を行う、潜在的に暴力的な存在です。吸血鬼は肉体増強のパワーが複数あり、鋭利な牙を持っており、強靭な再生力やタフネスを持っています。戦闘技能をちょっと持てば、1対1で人間に負けることはないでしょう。
特に若い吸血鬼は、人間ではあり得ないパワーに酔い、やりたい放題することがあります。PCが相対する相手はそういった手合いか、あるいはギャングなどその筋の人間であることが多いです。

一方で、長い年月を経た吸血鬼は自分が滅びる可能性を恐れており、リスクを1%でも遠ざけようとします。滅びることがなくても、戦闘では常に怒りによるバーサークに陥る可能性があり、マスカレードの掟に抵触したり、従者を殺してしまう危険性も排除できません。

簡易戦闘

物語上で重要でない戦いでは、ダイスロール一発で勝敗を決することができます。
関連能力値+技能で振り合い、勝利するとダメージを与えつつ「目的を達する」ことができます。
無理やりちゅーちゅーしたことにしてもいいし、殺害したことにしてもいいし、武装解除してしてぐるぐるまきにしてもokです。負けるとヤバいです。相手によっては即死案件です。

戦闘中の血の使用

吸血鬼は体内に最大10点の血液点を貯めておくことができ、1ターンに1点の血を使用することができます。
1点の血によってできることは主に「身体増強」「パワーの使用」「ダメージの回復」です。
ダメージを回復しながら戦ったりするので人間にとってみると不死身に見えます。
無力化/気絶させた相手からちゅーちゅーして補充したりもします。バケモノです。

意志力の使用

吸血鬼は血液点の他に意志力というリソースを持っています。これは判定に+3d10できる大きなファクターです。意志力使って攻撃することを意志力パンチと呼んだりもします。

技能の分散投資

技能としては格闘、白兵武器、銃撃、投擲の4つがあります。
普通のゲームではどれかひとつに特化して、あらゆるシチュエーションで特化した技能を使用しますよね。
しかしヴァンパイア:ザ・レクイエムでは社会性のリアリティがあり、チンピラとの喧嘩で手斧を振り下ろしたり、発砲することは過剰な行動であり、社会的に不味いです。相手や目撃者が警察を呼んだりするかもしれません。
かといって、フェンス越しで銃を撃ち合うシチュエーションなら銃撃スキルが必要ですし、生死を賭けた戦いでは白兵武器が有効です。

吸血のための獲物を取り押さえるのは白兵武器ではなく、格闘技能の範疇です。
そのため、刀剣や銃を使う人も、格闘技能は1レベルくらいはとっておくことを推奨します。

ちなみにレクイエム第二版で最強の白兵武器は手斧(Fire Axe)です。

攻撃判定

攻撃側は能力値+技能+各種修正で運命のダイスロールをします。
防御側は防御値というパラメータがあり、その数字だけ攻撃者のダイスの数を減らすことができます。防御側はダイスをふれません。
攻撃側が1成功でもすれば攻撃命中です。命中したら武器ごとに定められているダメージ値と成功度を加えた数字がダメージになります。多くの場合、殴りや鈍器は「打撃ダメージ」。刃物や銃器は「致死ダメージ」を与えます。

ヴァンパイア:ザ・レクイエムでの戦闘では、攻撃側の攻撃判定一発で、命中とダメージがすべて決定されます。

バーサーク

吸血鬼は侮辱されたり、挑発されたり、ダメージを受けるなどするとバーサークする可能性があります。バーサークするとパワーアップして敵対者に襲い掛かりますが、制御はできません。敵対者を血祭りにあげた返す刀で味方に襲いかかるかもしれません。また、相手がヴァンパイアハンターである場合、バーサークして突っ込んだ先にトラップが仕掛けられているかもしれません。

人間性案件(ブレークポイント

吸血鬼の人間性7を初期値として持っています。
まともな人間は暴力によって人様に危害を加えたりしません。
戦闘は傷害や殺人に発展する場合があり、吸血鬼の人間性を揺るがし低下させる可能性があります。
人間性を大事にしたいならなおさら暴力・戦闘は避けるべきでしょう。避けられるのならば、ですが。

殺さないように気をつけて戦っていても、バーサークして殺してしまうかもしれません。敵との戦いは自分との戦いでもあります。

脅威のタフネス

ダメージは武器によって「打撃ダメージ」と「致死ダメージ」の2種類があります。
殴る蹴るの攻撃では打撃ダメージが与えられ、刀剣や銃撃では致死ダメージが与えられます。

人間は打撃ダメージが累積してhp以上になると、気絶します。
人間は致死ダメージが累積してhp以上になると、死亡します(一応猶予はあります)。

吸血鬼は打撃ダメージが累積してhp以上になっても気絶しません。
吸血鬼は致死ダメージが累積してhp以上になっても死亡しません。代わりに休眠します。

休眠

ダメージが累積して普通の人間なら死ぬようなダメージを負った場合、吸血鬼は「休眠」状態になります。この状態では指ひとつ動かせず、完全に死んだように見えます。もともと死んでますけど。敵対者が死亡確認後、そのままどっかに行ってくれたり、地面に埋めてくれれば生存の望みがあります。
休眠状態では一週間くらい経過したら目を覚ますことができます(体内に血があれば)。

休眠状態では動けないので、野外で戦闘して休眠になると直射日光にさらされる可能性があり、危険が危ないです。
警察がやってきて検視解剖されたりするのもかなりヤバいです。
救急車を呼ばれるのも死亡確認されて警察呼ばれるのでヤバいです。

永遠の滅び

休眠状態からさらにダメージを食らうと滅びます。遺体はだんだん灰になって崩れて消えます。

常識的に考えて

アメリカでは銃の所持が許されていますが、野放しになっているわけではありません。自宅での所持のみが基本です。護身用であっても外に持ち出すことは免許が必要ですし、免許があっても人目に触れないようにしなければなりません。また、アメリカ人は日常的に防弾チョッキを着て生活しているわけではありません。数字的に有利だからと常時武装して行動するといったことは非推奨です。

でも吸血鬼の多くはクルマやコートの中に拳銃くらい隠しているんじゃないでしょうか。

吸血鬼とインヴィクタス


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

盟約とは

ヴァンパイア:ザ・レクイエムには五つの氏族と五つの盟約があります。
盟約は政党とか派閥のようなもので、都市の支配権を争っています。
どの都市にも大抵この五つの政党がありますが、力関係は都市ごとに異なります。吸血鬼は氏族を変えることはできませんが、盟約は自分で選択して入るものだし、除名もあり得るので、氏族より盟約のほうを重視する吸血鬼が多いです。

インヴィクタス

インヴィクタスとは五つの盟約のうちの一つです。源流はローマ時代にまで遡り、もっともルーツが古い盟約です。吸血鬼による人間社会の裏からの支配を目論み、あるいは達成して維持しています。政治家や財界人、警察など社会的・経済的な影響力のある人間を奴隷にしたりコネにしたりしています。吸血鬼自身も金持ちであったりすることも多いですが、カメラの前に出るような仕事や地位にはつきません。

インヴィクタスは「征服されない」「屈服しない」という意味です。何者にも屈服しませんが、特に自分の中の「獣」に屈服することを避けています。獣に対抗するために、かれらは礼儀やマナー・教養を身につけたり、ファッションにこだわったり芸術を嗜んだりします。獣はそんなことはしないからです。逆に彼らは暴力や無作法を軽蔑します。それらは獣が好むことだからです。しかしもちろん、彼らが善人であるわけではありません。

インヴィクタスは古い盟約であるがゆえに、古い吸血鬼が多く所属しています。吸血鬼は不老不死なので世代交代がなく、支配者が変わりません。彼ら長老たちは既得権益を形成してそれを固めてゆくので、若い吸血鬼との格差が広がっています。若い吸血鬼は功績を挙げても、一定以上の地位を占めることができません。重要な地位は長老たちが独占しています。長老たちは自分たちが人間だった頃の感覚でものを考えるので、最新のテクノロジーに疎かったり、民主主義に懐疑的であったり、人種差別的な思想を持っていたりします。そのため、現状維持・保守的な考えで動きます。

インヴィクタスは闇の貴族階級であり、吸血鬼社会の秩序の守り手を自認しています。特に吸血鬼の存在が人間社会に露見しそうになった際に収拾に動いたりします。他の盟約は全部クソだと思っていますが、特に政治思想のためにカルシアン運動と対立することがよくあります。

インヴィクタスに加入するには

ゲーム的には1点の長所として割り振ることで加入します。【地位:インヴィクタス1レベル】ということです。
ロールプレイ的には、希望者はインヴィクタスのメンバーに頼み込んで紹介してもらいます。紹介者はインナー・サークルという長老会議に請願書を提出します。請願が通れば面接が開始されます。面接が通れば加入することになり、教育・指導役が任命されます。

あるいはインヴィクタスのメンバーが人間を吸血鬼化するとき、盟約への加入前提で吸血鬼化することも多くあります。長老たちの前で吸血鬼化するので、結構なエリートスタートです。

インヴィクタスの活動

彼らが集まると(特にヴェントルー氏族は)ビジネスの話を良くします。経済や企業、金持ちの情報やアクセスを融通しています。吸血鬼は生活費を必要としないですが、権力欲や贅沢のために金を欲します。コネクションの形成のため、人間の社交界に参加することになります。
また、ギルドと呼ばれる徒弟関係を結成されることがあります。ギルドではパワーや教養、技術の伝授が行われます。ギルドの長はマイスターと呼ばれます。
そしてもちろん、都市における盟約の利権拡大のために動いています。

インヴィクタス所属のゲーム的利点

アタッシェ:優秀な人間の召使いを得られる。
フレンズ・イン・ハイ・プレース:盟約の社会的影響力を借りることができる。
インベストド:割安で財産などを得られる。
インヴィクタスオース:様々な効果の契約書を作れる。
残念ながらあまり強力なものはありません・・・。

VtR2eの瞬速/Celerity解読


ヴァンパイア:ザ・レクイエム2eの難読箇所を解読するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

原文

Interrupt the action of another character with a brief action of her own. This could be an attack, making it possible to disable an opponent in mid-action. It may be movement, avoiding harm by shifting out of reach. Or it could be any other instant action, like activating a Discipline or dodging. However, the vampire is still limited to one instant action. She cannot use Celerity to make two attacks, or an attack followed by another instant action. Likewise she cannot move further in a single turn than her Speed would allow. The decision to interrupt is made after another character’s action is declared, but before it actually occurs (before dice are rolled). Once interrupted, the other character must continue his declared action, if it’s still possible. If the action is no longer possible, he takes no action. Alternatively, that character’s player may declare his action a dramatic failure and take a Beat. Celerity cannot interrupt reflexive actions or actions of which the character was unaware. Finally, using Celerity in this way is exhausting; a vampire may only interrupt as many actions in a scene as she has dots in Celerity.

第一印象

  ∧_∧
⊂(#・ω・)
 /  ノ∪
 しーJ|∥|
      人ペシッ!!
      __
      \ \
        ̄ ̄

翻訳

Interrupt the action of another character with a brief action of her own.
他人の行動に対し、自分の短い行動で割り込む。

This could be an attack, making it possible to disable an opponent in mid-action.
これは攻撃であれば、相手を行動不能にすることが可能です。

It may be movement, avoiding harm by shifting out of reach.
それは手の届かないところに移動して被害を回避する移動かもしれません。

Or it could be any other instant action, like activating a Discipline or dodging.
あるいは、「訓え」の発動や「回避」のような他のインスタント・アクションでもかまいません。

相手の行動に割り込んで妨害行動できる。妨害行動はさまざま。
インスタント・アクション:手番に行う行動(殴りや銃撃など)。

However, the vampire is still limited to one instant action.
しかし、その吸血鬼は依然として1回のインスタント・アクションに制限されています。

She cannot use Celerity to make two attacks, or an attack followed by another instant action.
彼女は2回の攻撃や、攻撃の後に別のインスタント・アクションを行うために《瞬速》を使用することはできません。

Likewise she cannot move further in a single turn than her Speed would allow.
同様に、1ターンの間にスピードの許容範囲を超える距離を移動することはできません。

能動的に使用して行動回数を増やすことはできない。

The decision to interrupt is made after another character’s action is declared, but before it actually occurs (before dice are rolled).
割り込みの判断は、他のキャラクターのアクションが宣言された後、それが実際に起こる前(ダイスが振られる前)に行われます。

Once interrupted, the other character must continue his declared action, if it’s still possible.
一旦割り込みされた場合、もう一方のキャラクターは、宣言したアクションがまだ可能であれば続けなければなりません。

If the action is no longer possible, he takes no action.
その行動が可能でなくなった場合、そのキャラクターは何も行動を起こしません。

Alternatively, that character’s player may declare his action a dramatic failure and take a Beat.
また、そのキャラクターのプレイヤーは、その行動をファンブルと宣言し、ビートを取ることもできます。
※VtR2eでは失敗をファンブルに変更することで経験点(ビート)を得られる。

Celerity cannot interrupt reflexive actions or actions of which the character was unaware.
《瞬速》は、反射行動や、キャラクターが気づいていない行動を妨害することはできません。

Finally, using Celerity in this way is exhausting; a vampire may only interrupt as many actions in a scene as she has dots in Celerity.
最後に、この方法で《瞬速》を使用すると消耗します。ヴァンパイアは《瞬速》のドットの数だけ1シーンの行動を妨害することができます。

総括

・人様の行動宣言にわりこんで妨害行動を行うことができる。
・人様の行動は攻撃以外にもさまざまな行動が考えられるため、対応する妨害行動もさまざまである。
・手の届かない場所にいるなど、妨害演出のしようがない妨害行動は却下されるだろう。
・「射撃攻撃に割り込んで銃を奪い取る」といった場合、妨害される側は抵抗できてもおかしくない。
・使用回数は1ターンではなく1シーン。

吸血鬼とグール


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

グールの創造

気に入った人間に「ぐーるになれー」と念じながら自分の血を飲ませるだけです。
それだけで人間はグールになります。

とはいえ、そのグールをゲーム的に意味のあるものにするには経験点の消費が必要です。グールは吸血鬼にとっては財産なのです。それとゲーム的にグールは2名までとさせていただいております。

血の契りと血潮中毒

グールになってもただちにあなたの下僕になるわけではありません。
別の場所・別の夜に合計3回血を飲ませることで血の契りが完成し、グールはあなたに永続魅了されます。
そして血を繰り返し飲むうちに血潮中毒になります。グールは麻薬中毒者のように、あなたからの血のご褒美を求めます。

ここでキモですが、血潮中毒を充足させるのは主人の血である必要はありません。
他人のグールに「ボクの血は欲しくないかい?」と誘惑するムーブもあります。

調教

めんどくさいんですが、永続魅了されても、そのグールがただちに理想的な奴隷になるわけではありません。
グールはあなたの「恋人」や「友人」だと思っていることがあります。分不相応な勘違いをただし、上下関係を教えなければなりません。鞭で打ったり、殴る蹴るなどの折檻を行ったり、逆らったら殺されることをわからせたりしてください。折檻したあとにやさしくして血を与えるのは効果的です。(殴る蹴るは人間性案件です)

反抗的なグールは一ヵ月ほど放置してください。定期的な血潮を受けられないグールはヘロインの離脱症状に匹敵する地獄を味わいます。これは通常の人間が耐えきれる苦しみではなく、さらに本来の年齢に達するまで1日につき1年老化していきます。反抗的なグールも、血潮が切れる苦しみを一度味わうと、二度と主人に逆らうことはなくなるほどです。その状態で忠誠を誓わせて血を与えるとよいでしょう。

グールは明かさなければ主人が吸血鬼であることもわかりませんし、吸血鬼社会のしきたりなんかもわかりません。教育する必要があります。もちろんグールの不始末はあなたの責任です。

グールは永久的にあなたを愛します。あなたはそうではなく、そのうち飽きるのがミソです。

グールの能力

グールは微弱ながら吸血鬼のパワーを持っています。主人から与えられた血を使って肉体増強したり、傷を治すこともできます。定期的に血を貰える限り不老です。そして吸血鬼と違って直射日光を受けても平気です。

定期的というのは30日に1度です。グールはあと何日で血の効力が切れるかを正確に把握しています。リミットが近づくと焦ったりイライラしたり心配したりします。

グールの仕事

グールに期待されるお仕事は多岐にわたります。
血の契りと血潮中毒に縛られているグールは、ご主人様のためになんでもします。ただし、グールには「道徳」(吸血鬼の「人間性」に相当)というパラメータがあり、道徳に反することはためらうし、強行した場合は道徳が低下し、精神疾患を獲得してしまう可能性があります。

秘書/参謀

昼間の間、人間社会や他のグールとの折衝や情報収集をしたり、主人に専門的な見地から助言したりします。ストーリーテラーとしては判断のための情報提供やシナリオ進行に使えるので助かります。

愛玩用(悪徳の生贄)

不老不死で何でも言うことを聞いてくれる恋人です。ご主人様のストレスを発散し、獣をなだめるために、「色欲」の悪徳の犠牲として野外セックスに付き合わされたり、「憤怒」の犠牲として殴られてしまったります。多くのグールの悲惨な運命の一つです。なおやった後に謝ったり優しくするとグールは大感激して機嫌を治してくれます。DVぽくていい(良くない)。

グールとのネチョは愛情と温かみと献身を感じられる中毒性のある喜びです。吸血鬼には疲労という概念がなく、グールは真人間より頑丈で、かつ何でも言うことを聞いてくれるので、行為の激しさはエスカレートしていく傾向にあります。

非常食

グールから吸血することに問題はありませんし、グールもご主人様から吸血されることを望んでいます。すべてのグールは非常食になり得えます。ただ、グールの他の仕事や健康に悪影響を与える可能性がありますので主食にするのは推奨しません。

狩の補助

主人のために獲物を安全な場所まで誘い込んでくれます。吸血鬼は吸血時は無防備になりますが、グールが見張りとなってくれるので都合が良いでしょう。

生活補助

部屋の掃除とか買い物とかです。吸血鬼は洗濯物を干しにベランダに出たら日光で蒸発してしまいますし、店の多くは夜はしまってしまうので買い物も困難です。役所や銀行も昼間しか営業していません。通販の受け取りにも支障がでます。

護衛

昼間の間寝床を守ってくれます。外出する時にも連れて行くと安心。運転手も兼ねると便利です。とはいえ、グールは吸血鬼に比べて弱いです。敵の吸血鬼に引き裂かれたりしたら死ぬ可能性があります。

スパイ

敵対的な吸血鬼のテリトリーに潜入して情報収集や破壊活動を命じることもできます。無事に帰ってこれるかは別の問題ですが・・・。

プロキシ(代理人

会合に出席できないときや出席したくないときにグールを代理人として派遣します。基本的にグールが決断や約束を行うことはありませんが、政治問題を軽視したり無関心な主人の場合は、より多くの権力を与えられているグールもいます。また、グールの顔を売り人脈を持たせるために寄越すこともあります。この仕事はグールとして最高の栄誉のひとつです。

資産運用

インヴィクタスの吸血鬼は資産家や有能なビジネスマンをグールにすることがあります。単純に金銭を貢がせたり、自分の資産や会社をまかせたりします。

グールと人間関係

ヴァンパイア:ザ・レクイエムは人間関係ゲーです。グールには家族や友人や恋人がいるかもしれません。夫や子供がいるかもしれません。様子が豹変したら怪しむし、突然いなくなれば探します。

一人の主人にグールが複数いる場合、お互いに嫉妬しあいます。競争や蹴落としが発生する可能性もあります。

吸血鬼のロールプレイうんぬん


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

生理

「獣」

すべての吸血鬼の中には「獣」と呼ばれる存在がひそんでいます。正体は諸説ありますが、それは呪いの源泉であり、力の源泉であり、吸血衝動の源泉です。獣は「狩る・殺す・喰う・眠る」だけを考えます。

あなたの中の獣はあなたと一緒にいて、あなたが見渡すすべての人間を潜在的な食糧源であり、暴力の犠牲者だと考えています。
あなたの獣はあなたとは別の存在ではありませんが、ほとんどの吸血鬼にとってそれは身体の内側に住み、それ自身の欲望を持つ他者のように感じます。
獣が持つ欲望は、あなたの欲望と繋がっています。こうして獣は、吸血鬼が毎晩感じる卑劣で浅ましい衝動の原泉となります。

飲食不要(飲食不能

一応唾液はあるようですが、固形物がのどを通りません。
ワインや水道水も後で吐いてしまいます。
血液点を1点消費することで食べることができますが、やはり後で吐いてしまいます。しかもかなり苦しいようです。
美味しそうな料理を見ても、匂いを嗅いでも、食欲がわきません。
食事をする人間を見て「自分は人外になってしまった」と落ち込む吸血鬼もいます。
 
タバコは吸えます。ただし吸血鬼は火に弱く、火傷は深刻なダメージになります。

パワーと精神

吸血鬼の持つパワーは、プレイヤーとしては明示して使用を宣言するのですが、吸血鬼本人は無意識に使用します。精神とパワーは一体になっています。人間ではありえない力を得ることで、あるいは振るうことで、人間とは別の存在になっていくのです。

夜目が効く

あなたは夜行性なまものに生まれ変わりました。あなたは夜の闇に生きる存在であり、したがって明かり無しでも夜を歩くことができます。呼吸する必要はないですが狩猟のために嗅覚も鋭敏になっています。

心臓が動いていない

脈がありません。新米吸血鬼が驚き困惑するところさんです。
血が通っていないので体温が低いです。
血が通ってないので顔色が悪いと感じさせることもあります。
傷を負っても出血しません。体内に血はありますが血が通ってないのです。
呼吸も不要です。必要が無いので長生きすると呼吸を忘れてしまいます。あんまりやりたくないですが水の中にいつまでも潜っていることができます。

鏡像がぼけてみえる

鏡、カメラや映像、ショーウィンドウの反射に至るまで、鏡像がぼけて見えます。個人の識別ができないレベルです。
そのため、身だしなみの確認に苦労する場合があります。
ちなみにこれは「オンオフ」が可能なようです(公式FAQ)。これにより写真移りで識別しようとする吸血鬼ハンターを回避できます。ただし、オフにしても自分の姿を確認することはできません(ハウスルール)。同じ鏡をみても、他人にははっきり映っていても、自分には自分の顔がぼけて見えるのです。

昼間は眠っていなければならない

日の出になると猛烈に眠くなります。無理して起きていることもできますが眠くて不利です。
ダメージを受けるなどしても起きることができますが、やはり眠くて不利です。
日光に当たると深刻なダメージを受け、さらにバーサークする可能性もあります。

寝ている間は死体に見えます。なにしろ死んでいるので寝息もしません。夢は見ます。

日没になると眠気が一瞬で無くなって即座に起きることができます。
起きるときに体内の血が1点消費されます。血が無かったら起きれません。半永久的に死体のままです。

不老不死

吸血鬼化した時点で外見が固定されます。成長も老化もしません。爪も髪も伸びません。
吸血鬼は血を使用することで再生能力を使えますが、吸血鬼化前の傷は治せません。
そのため、吸血鬼化まえに外傷などがないかチェックされることがあります。
髪を切っても爪を切っても処女喪失しても、寝て起きると元に戻ります(戻さないようにすることもできます)。

泣けない

どんなに悲しくても涙が出ません。血の涙なら出せる人もいます。

仮面舞踏会の掟(マスカレード)

自分が吸血鬼であることを人間に知られてはなりません。どのくらい厳密であるのかは都市によります。たいていは「下僕であるグールならOK」です。「呪いで縛った奴隷ならOK」という場合もあります。「生前の家族と会うことはNG」という場合もあります。

そしてこれがキモですが、「吸血鬼であることを人間に知られたこと」と、「それを他の吸血鬼に知られたこと」は別の問題です。ばれなければ何も問題ないのです。

継嗣の掟(プラジェニー)

勝手に人様を吸血鬼化してはいけません。都市によりますが、だいたいは有力者の許可が必要です。
親は子を教育する義務があります。子が何か問題を起こしたら、親も連帯責任です。

そしてこれがキモですが、ばれなければ何も問題ありません。

アマランスの掟

他の吸血鬼の血を吸いつくして滅ぼすと、その吸血鬼のパワーを奪うことができます。そんなことしちゃダメだよという掟です。有力な吸血鬼たちは新米吸血鬼を恐れています。自分を吸いつくすと奴らはパワーアップできるのです。そして自分も若い時は・・・。

そしてこれがキモですが、ばれなければ何も問題ありません。

エリュシオンの神聖の掟

吸血鬼たちが集まって行事をする場所をエリュシオンといいます。ここは中立地帯ということになっています。ここで暴れたり、近くに潜んで闇討ちしたり、火をつけて一網打尽にしたらダメだよという掟です。

不自由なゲーム

ヴァンパイア:ザ・レクイエムは不自由なゲームです。吸血鬼の弱点や獣や掟や人間関係にがんじがらめにされるゲームです。バーサークして重要人物を吸い殺したらシナリオは崩壊するかもしれません。自分のしでかしたことに動揺したり後悔したり悩んだり、それをフォローしたりごまかしたりするゲームなのです。

吸血鬼のパワー解説


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

訓え

吸血鬼のパワーは10種類あり、最大5レベル。初期は3レベル分取得しています。氏族ごとに取得制限があり、すくなくとも2レベル分は自分の氏族の範囲内から取得しなければなりません。

獣心/Animalism

動物と意思疎通したり支配したりします。使い魔と呼ばれる特別なペットを作ることもできます。特に有用な動物は犬ですが、猫も人気です。ネズミやコウモリといった害獣も使い道があります。ギャンレルやヴェントルーが得意とします。

先覚/Auspex

第六感じみた超感覚を身に着けることができます。プレイヤーはGMに質問することができ、GMは予知幻覚イメージで返します。メケトの技。

瞬速/Celerity

身体強化シリーズのひとつで、防御能力やイニシアティブや移動距離を高めます。コストはかかりますが、敵の行動を自動失敗させることもできます。ディーヴァ、メケトの技。

支配/Dominate

犠牲者に暗示をかけて従わせたり、記憶を操作したりできます。たとえば「銃を捨てろ(命令)」や「君がこいつを撃った(記憶操作)」などです。ヴェントルーの技。

尊厳/Majesty

その場にいる人々を魅了したり、その中の一人を虜にします。どこにいってもモテモテになり、情報収集でも狩りでも交渉でも有効です。戦闘で有用になるかは状況次第です。ディーヴァの技。

悪夢/Nightmare

犠牲者に恐怖を与える精神攻撃の技です。周囲に不穏な雰囲気を出して恐ろしい幻覚を見せたり、恐怖を喚起してバーサークさせたり追い払ったりします。ノスフェラトゥの技。

隠惑/Obfuscate

自分の存在を隠すパワーで、極めると透明になります。潜入や尾行に有利となるでしょう。吸血鬼であることを隠したりもできます。ノスフェラトゥ、メケトの技。

変身/Protean

動物変身の技・・・なのですが、はじめは地面に溶け込む技(避難用)で、次が腕だけなどの部分的な変身。全身の変身は3レベルが必要です。ギャンレルの技。

不屈/Resilience

身体強化シリーズのひとつで、ヒットポイントが増えます。コストがかかりますがアーマー値を一時的に増やすこともできます。ギャンレル、ヴェントルーの技。

怪力/Vigor

身体強化シリーズのひとつで、筋力が増強されます。筋力は戦闘で重要となります。コストをかけると攻撃判定のダイスがさらに増えます。ディーヴァ、ノスフェラトゥの技。

捕食者のオーラ/Predatory Aura

吸血鬼は捕食者のオーラと呼ばれる不可視のオーラをまとっています。これは内なる「獣」由来のオーラで、吸血鬼同士はお互いを認識することができます。このオーラは吸血鬼の活動する場所や関わる人間を少しづつ汚染して堕落させてゆきます。ノスフェラトゥのテリトリーは不吉な雰囲気が漂ったり、ギャンレルのテリトリーでは喧嘩が多発したりします。
すべての吸血鬼はこのオーラを犠牲者にたたきつけ、以下3つの効果を得ることができます。

怪物的な獣/The Monstrous Beast

これを浴びせられた犠牲者は余りに恐ろしさによって生存本能を呼び起こされ、戦うか逃げるかを促されるます。うるさい人間を追っ払うのに使えます。

魅惑的な獣/The Seductive Beast

これを浴びせられた犠牲者は現実逃避と刹那的で即物的な性欲を呼び起こされます。性欲を喚起するだけであって魅了するわけではないことに注意です。

競争する獣/The Competitive Beast

これを浴びせられた犠牲者は競争心を刺激され、優位に立つこと、命令すること、支配することが必要と考え行動します。人間を焚きつけることに使えるかもしれません。

呪われた血

身体増強

体内の血を消費することで一時的に身体能力値を増強できます。

バラ色の肌

吸血鬼は血が通っていないので青白い肌をしていたり、体温が冷たかったりします。体内の血を消費することで、一時的に人間のフリをすることができます。

肉体再生

吸血鬼は新陳代謝がないので、人間と違ってダメージは自然回復しません。体内の血を消費することでダメージを回復できます。

血の契り/Vinculum

吸血鬼の血を別の夜、別の場所で合計3回飲むと、その吸血鬼に永続的に魅了されます。犠牲者は主人への愛情が溢れてきて制御できない状態となります。人間を支配するための強力な手段ですが、吸血鬼にも通用します。ほとんどすべての吸血鬼は、他の吸血鬼にこれを食わらないかと恐れています。

血潮中毒/Blood Addiction

吸血鬼の血は強力な麻薬でもあります。吸血鬼の血を飲むと血の契りとは別に、吸血鬼の血への依存が形成されます。

グール/Ghoul

人間に、グールになれと念じつつ血を飲ませると、その人間はグールになります。グールは主人から定期的に血を貰う限り不老で、訓えも取得できます。