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吸血鬼と戦闘


ヴァンパイア:ザ・レクイエムを専門用語を使わずに説明するこころみです。それではさっそく見ていきましょう。

地味な戦闘

ヴァンパイア:ザ・レクイエムの戦闘は地味です。というのも、このゲームの吸血鬼は炎や光線や衝撃波を出すことができないのです。二段斬りとか、そういう必殺技めいたものもありません。素手で殴る、武器で殴る、銃を撃つ、物を投げるの4つが主な攻撃手段となります。

暴力と自制

吸血鬼の心の中には「獣」が潜んでおり、バーサークの危険をはらんでいます。吸血鬼は狩猟・吸血を行う、潜在的に暴力的な存在です。吸血鬼は肉体増強のパワーが複数あり、鋭利な牙を持っており、強靭な再生力やタフネスを持っています。戦闘技能をちょっと持てば、1対1で人間に負けることはないでしょう。
特に若い吸血鬼は、人間ではあり得ないパワーに酔い、やりたい放題することがあります。PCが相対する相手はそういった手合いか、あるいはギャングなどその筋の人間であることが多いです。

一方で、長い年月を経た吸血鬼は自分が滅びる可能性を恐れており、リスクを1%でも遠ざけようとします。滅びることがなくても、戦闘では常に怒りによるバーサークに陥る可能性があり、マスカレードの掟に抵触したり、従者を殺してしまう危険性も排除できません。

簡易戦闘

物語上で重要でない戦いでは、ダイスロール一発で勝敗を決することができます。
関連能力値+技能で振り合い、勝利するとダメージを与えつつ「目的を達する」ことができます。
無理やりちゅーちゅーしたことにしてもいいし、殺害したことにしてもいいし、武装解除してしてぐるぐるまきにしてもokです。負けるとヤバいです。相手によっては即死案件です。

戦闘中の血の使用

吸血鬼は体内に最大10点の血液点を貯めておくことができ、1ターンに1点の血を使用することができます。
1点の血によってできることは主に「身体増強」「パワーの使用」「ダメージの回復」です。
ダメージを回復しながら戦ったりするので人間にとってみると不死身に見えます。
無力化/気絶させた相手からちゅーちゅーして補充したりもします。バケモノです。

意志力の使用

吸血鬼は血液点の他に意志力というリソースを持っています。これは判定に+3d10できる大きなファクターです。意志力使って攻撃することを意志力パンチと呼んだりもします。

技能の分散投資

技能としては格闘、白兵武器、銃撃、投擲の4つがあります。
普通のゲームではどれかひとつに特化して、あらゆるシチュエーションで特化した技能を使用しますよね。
しかしヴァンパイア:ザ・レクイエムでは社会性のリアリティがあり、チンピラとの喧嘩で手斧を振り下ろしたり、発砲することは過剰な行動であり、社会的に不味いです。相手や目撃者が警察を呼んだりするかもしれません。
かといって、フェンス越しで銃を撃ち合うシチュエーションなら銃撃スキルが必要ですし、生死を賭けた戦いでは白兵武器が有効です。

吸血のための獲物を取り押さえるのは白兵武器ではなく、格闘技能の範疇です。
そのため、刀剣や銃を使う人も、格闘技能は1レベルくらいはとっておくことを推奨します。

ちなみにレクイエム第二版で最強の白兵武器は手斧(Fire Axe)です。

攻撃判定

攻撃側は能力値+技能+各種修正で運命のダイスロールをします。
防御側は防御値というパラメータがあり、その数字だけ攻撃者のダイスの数を減らすことができます。防御側はダイスをふれません。
攻撃側が1成功でもすれば攻撃命中です。命中したら武器ごとに定められているダメージ値と成功度を加えた数字がダメージになります。多くの場合、殴りや鈍器は「打撃ダメージ」。刃物や銃器は「致死ダメージ」を与えます。

ヴァンパイア:ザ・レクイエムでの戦闘では、攻撃側の攻撃判定一発で、命中とダメージがすべて決定されます。

バーサーク

吸血鬼は侮辱されたり、挑発されたり、ダメージを受けるなどするとバーサークする可能性があります。バーサークするとパワーアップして敵対者に襲い掛かりますが、制御はできません。敵対者を血祭りにあげた返す刀で味方に襲いかかるかもしれません。また、相手がヴァンパイアハンターである場合、バーサークして突っ込んだ先にトラップが仕掛けられているかもしれません。

人間性案件(ブレークポイント

吸血鬼の人間性7を初期値として持っています。
まともな人間は暴力によって人様に危害を加えたりしません。
戦闘は傷害や殺人に発展する場合があり、吸血鬼の人間性を揺るがし低下させる可能性があります。
人間性を大事にしたいならなおさら暴力・戦闘は避けるべきでしょう。避けられるのならば、ですが。

殺さないように気をつけて戦っていても、バーサークして殺してしまうかもしれません。敵との戦いは自分との戦いでもあります。

脅威のタフネス

ダメージは武器によって「打撃ダメージ」と「致死ダメージ」の2種類があります。
殴る蹴るの攻撃では打撃ダメージが与えられ、刀剣や銃撃では致死ダメージが与えられます。

人間は打撃ダメージが累積してhp以上になると、気絶します。
人間は致死ダメージが累積してhp以上になると、死亡します(一応猶予はあります)。

吸血鬼は打撃ダメージが累積してhp以上になっても気絶しません。
吸血鬼は致死ダメージが累積してhp以上になっても死亡しません。代わりに休眠します。

休眠

ダメージが累積して普通の人間なら死ぬようなダメージを負った場合、吸血鬼は「休眠」状態になります。この状態では指ひとつ動かせず、完全に死んだように見えます。もともと死んでますけど。敵対者が死亡確認後、そのままどっかに行ってくれたり、地面に埋めてくれれば生存の望みがあります。
休眠状態では一週間くらい経過したら目を覚ますことができます(体内に血があれば)。

休眠状態では動けないので、野外で戦闘して休眠になると直射日光にさらされる可能性があり、危険が危ないです。
警察がやってきて検視解剖されたりするのもかなりヤバいです。
救急車を呼ばれるのも死亡確認されて警察呼ばれるのでヤバいです。

永遠の滅び

休眠状態からさらにダメージを食らうと滅びます。遺体はだんだん灰になって崩れて消えます。

常識的に考えて

アメリカでは銃の所持が許されていますが、野放しになっているわけではありません。自宅での所持のみが基本です。護身用であっても外に持ち出すことは免許が必要ですし、免許があっても人目に触れないようにしなければなりません。また、アメリカ人は日常的に防弾チョッキを着て生活しているわけではありません。数字的に有利だからと常時武装して行動するといったことは非推奨です。

でも吸血鬼の多くはクルマやコートの中に拳銃くらい隠しているんじゃないでしょうか。