マーガベル共和国(北東ヴォルネスク)
ノイエクルス連邦ヴォルネスク特別行政区の北東に存在する共和制国家。北ヴォルネスク共和国とはもともと同一の国家であり、人種や民族、言語も同じ(ロシア系・ウクライナ系)である。
国土のほとんどを永久凍土のタイガとツンドラに覆われており、人口密度は希薄。
強さと自給自足を尊び、氏族の象徴として熊の爪を採用している。彼らはカル・シスマ山脈の荒れ果てた領土に氏族の土地を維持し続けることで、その不屈さを証明してきた。マーガベル北部では冬季の気温はマイナス40度にも達する。マイナス20度でも住民に言わせれば「鳥がさえずるゆるやかな春」である。
首都はナルシェ。炭鉱都市であり、常に雪が降る寒冷地に位置する。近年では炭鉱群に隣接して有望なウラン鉱の採掘可能性が指摘されている。
歴史
ヴォルネスク共和国のノイエクルス連邦への編入以後、ヴォルネスク辺境の軍閥は編入を良しとせず、独立勢力として割拠した。混乱は長期にわたって続き、南西ヴォルネスクの諸軍閥は諸外国の介入を招いて国家基盤ごと壊滅した。北東ヴォルネスクは惑星フリューゲルの北極圏に位置する関係上、南西の争乱とは無縁ではあったが、各氏族の生存と、主導権を巡る争いは続いていたのである。戦いが落ち着いた頃、北西ヴォルネスクはカル・シスマ山脈を拠点として統一政府を樹立。マーガベル共和国を建国した。
カル・シスマ山脈
並行する小さな山脈群からなり、ヴォルネスク東部から北極圏のツンドラにまで伸びる。長さは約1,498km、平均標高は900mから1200m。最高峰は1,895mのヤードナロナ山。
地形の侵食が進んでいるため豊かな鉱物資源がむき出しになっているが、人が住むには厳しすぎる気候のため開発は進んでいない。
政治
国民議会を最高機関とし、各委員会が省庁として行政に携わる。
- 財政委員会
- 外交委員会
- 警備委員会(共和国軍の指揮監督並びに統制も行う)
- 調停委員会(各氏族間の利害調整を行う)
- 都市秩序委員会
- 農村秩序委員会
- 食料供給委員会(都市部への配給制の管理・維持)
- 警備・秩序警察委員会(警備・公安各種の警察活動を包括する組織を監督する機関)
- 独立維持委員会(ノイエクルス連邦の動向調査と折衝を行う機関)
- 熊爪委員会(国民議会議員並びに指定重要人物の警護を行う)
- 宗教監督委員会(宗教及び思想の調査及び誘導)
人物
経済
文化
- テレビ・ラジオ:外出や遠出が困難であるマーガベルではテレビ及びラジオが必需品レベルで普及しており、「テレビは娯楽、ニュースはラジオ」という棲み分けがなされている。
- 精霊信仰:汎神論に分類されるもので、動植物、生活道具、自然現象、疫病などにそれぞれ神霊が宿っていると考える。熊を神聖な生物とする。
- ゾロアスター信仰:三十年ほど以前の南西ヴォルネスク混迷期に宣教師の一部がマーガベルで布教を始めたことから伝来した。