veirosが何か言いたげにこちらを見ている

FIREしたい!FIREする!!FIREを目指す!!!

囁く夢魔

「坊や、お手伝い?」
 
「そう、水道が動かないから、水汲みはあなたの仕事なのね。偉いわ」
 
「ご褒美にこれあげるわ。うん、飴よ。私が作ったの」
 
「美味しい? 良かったわ。あなたが笑ってくれると私も嬉しいの」
 
「坊や、お母さんを大切にしてあげるのよ」
 
「どんなに辛いことがあっても負けちゃだめよ。…約束よ」
 
「良い子ね、もう一つあげる。お母さんに渡してきなさい」
 
 
 
 
 
「残酷なことをするのね。あの子の母親はもう……」
「ジャスリー様。ここは貴方の世界ではありません。干渉しないでください」
「そうはいかないわ。エステルプラッテの民の苦悩と悲哀が、貴方の糧になる。貴方は夢魔で、私は貴方の守護者ですもの。この国の破滅は私によって保証されているの」
「そんな保証も守護も要りません。私の復活がエステルプラッテに災厄をもたらしているのなら、私は今すぐ塵になってもいい」
「死ぬことはできませんし、殺されても何度でも復活させてあげます。エレオノーラ」
「……ジャスリー様のご期待には沿えません。私はこの国をあらゆる災厄から護り、全ての孤児の母親になります」
「ふふ、いいのよ。好きなだけ足掻きなさい、ピースフルドリーム。貴方の苦悩と絶望が、私の糧になるのだから」